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低価格密閉型ヘッドホン対決として、

audio-technica ATH-T2 VS AIWA HP-X122

を勝手にやってみようと思います。
片やダメなヘッドホンの代表、片や低価格最強のヘッドホン。
はてさて、どのような違いがあるか……

*注意:このレビューは私の主観です。人によってはまったく別の音に聞こえるかもしれません ので鵜呑みにせず、自分の耳で音を確かめることが重要です。




左がATH-T2、右がHP-X122(改)です。
プラスチック製とどちらも作りは良いとお世辞にも言えないヘッドホンです。

単純に定価だけ見ると

ATH-T2   ¥3,150(税別¥3000)
HP-X122  ¥2,100(税別¥2000)

と、ATH-T2が¥1,000ほど高いです。
しかし、ヘッドホンのハウジング折りたためるという部分と金メッキされたプラグのため、
¥1,000の差はあるのも確かです。
実売価格はどちらも1,500円程度なので、同価格と見ても問題は無いでしょう。
単純にスペックのみを比較すると、

ATH-T2
型式:密閉ダイナミック型
ドライバー:φ40mm、19μダイアフラム
出力音圧レベル:104dB/mW
再生周波数帯域:20〜22,000Hz
最大入力:500mW(JEITA)
インピーダンス:32Ω
質量:約200g(コード含む)
プラグ:標準/ミニ金メッキステレオ2ウェイ
コード:3.0m/OFC/Y型

HP-X122
型式:密閉ダイナミック型
ドライバーユニット:Φ38oドーム型CCAWボイスコイル採用
出力音圧レベル:104dB/mW
再生周波数帯域:5〜25,000Hz
最大入力:1200mW(100mW)
インピーダンス:35Ω
質量:約170g(コード含まず)
プラグ:3.5mmφステレオミニプラグ
コード:3.0m/OFC

再生周波数帯域がHP-X122の方が広いです。
もっとも人間の可聴域は20〜20,000Hzと言われているので、どちらも条件は同じと考えます。

スペックだけ見てヘッドホンの良さがわからないと思うので早速比較を行います。
比較材料としては、felicidade S055WH(白ATH-A55)を対象に用いました。

装着感
S055WHATH-T2HP-X122

装着感はHP-X122よりもATH-T2の方が良いでしょう。ただし、良いという意味ではなくどちらかといえばというレベルの話なので、S055WHには遠く及びません。
HP-X122の装着感改善を行うと

S055WH>HP-X122(改)ATH-T2

という結果になります。
しかしこれでもS055WHの装着感には及びません。

ついでにATH-T2にも同様の装着感改善を行ってみました。
装着感は改善されましたが、結局のところHP-X122(改)の装着感には勝てません


携帯性
ATH-T2HP-X122>S055WH




上の写真のように折りたためるATH-T2が最も携帯性に優れています。
またHP-X122とS055WHではヘッドホンの大きさの違いよりHP-X122の方が優れているとしました。


持ち運ぶならATH-T2、装着感ならHP-X122という結果です。
外的な特徴は述べたので、これから音の検証を行っていきます。

S055WHに関しては今回基準に用いたので、音については記載しないことにします。

再生環境
 デスクトップPCから出力(SE-80PCI)→ヘッドホンアンプ(AT-HA50)
再生音源
 適当に選んだmp3


音のこもりの無さ

HP-X122ATH-T2

ATH-T2は容赦なくこもります。また全体的に音がぼやけていて、聴きにくい感じがします。
HP-X122も多少こもっているように感じますが、気になる程度ではないので問題無いでしょう。


音の細かさ、繊細さ

HP-X122ATH-T2

ATH-T2は音がぼやけていて、細かい部分の再現性は低い言えます。
HP-X122も細かい部分の再現性があると言えませんが、それでもATH-T2よりはマシです。

高音と低音

HP-X122ATH-T2

ATH-T2はどちらも耳につく感じはありません。
逆に大人しめな印象すら感じます。
HP-X122はドンシャリ傾向なヘッドホンであるためにやたらと高音と低音が耳につきます。
しかし無理して聞かせている感じは無く、嫌味な音ではないのでこのヘッドホンの特徴でしょう。

音の広がり
HP-X122ATH-T2

やはり音のこもっているATH-T2では音に広がりがなく狭い感じがします。
HP-X122はATH-T2よりも音に広がりはありますが、それでもS055WHには及びません。

音の元気さ

HP-X122ATH-T2

ドンシャリ傾向のHP-X122はS055WHよりも音の元気さはあります。
しかし強調されているだけなので、原音とは離れているでしょう。
原音を好む人には向かないヘッドホンかもしれませんね。
ATH-T2には音の元気さはありませんが楽器よりもボーカルの声が聴きやすいヘッドホンです。
決して音が良い訳ではありませんが。

音だけみるとATH-T2がHP-X122に勝てる部分はありません。
優れている部分は初期状態での装着感と携帯性だけと残念な結果となりました。
評価されいることだけあって、HP-X122は低価格最強と言っても間違いは無いでしょう。
しかし、ヘッドホンは只単にいい音を聞かせるためのものでは無いと思います。
自分好みの音がドンシャリを好む人もいれば、大人しい音を好む人と様々です。
また逆に、面白い音を鳴らすヘッドホンが欲しいと思っているならばATH-T2を買ってみる価値は十分あると思います。
意外にATH-T2のこもり感を私は気に入っていますし。


やはりヘッドホンを購入するときに重要なのは自分の耳ですね。
今回はこんな感じでレビュー終了。

次回はHP-X122改造2の予定
ATH-T2 VS HP-X122